涅槃とは
「涅槃(ねはん)」とは、インドの言葉の「ニルヴァーナ」を、中国語の漢字で音写したものだそうです。意味は「吹き消す」で、燃えている火に息を吹きかけて吹き消すことを意味するのだそうです。
仏教で、吹き消したいのは、心の迷いです。そこで、「涅槃」とは、「心の迷いを吹き消すこと」を意味します。
心に迷いを持っているときは、迷いの人生を歩むことになります。迷いの人生は、苦悩の人生です。心の迷いを吹き消せば、迷いの無い人生を歩むことになります。迷いの無い人生は、苦悩の無い人生です。 お釈迦さまは、迷って苦悩している人々に、迷いを吹き消して苦悩の無い人生に入ることを教えてくださるのです。
迷いとは
迷いとは、自分が幸福になる道を見失い、自分を不幸に導く道に迷い込むことと言っていいでしょう。幸福になるつもりで歩いている道が、不幸へ向かう道なのだとしたら、こんなに悲しいことはありません。
そんな迷いの状態から抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか。それを解き明かしてくださった教えが「四諦」です。「四諦」を学び、理解し、信頼して実践すれば、迷いを吹き消すことができるのです。
諸行無常・諸法無我ワールド
私たちの生きる世界は、諸行無常・諸法無我ワールドです。あらゆる存在は、他の存在と関係しながら変化します。関係には、調和しよう、調和させようという方向性があります。変化には、発展しよう、発展させようという方向性があります。この方向性に合った生き方をすることが、幸せへの道なのです。
智慧のある人・無い人
智慧のある人は、自分たちは、諸行無常・諸法無我ワールドに生きていることを知り、そこは関係しながら変化する世界であることを知り、関係には調和、変化には発展の方向性があることを知って、調和・発展の方向性に合った生き方をします。これによって、幸せな生活・人生を営むことができます。
智慧の無い人、すなわち迷っている人は、自分たちが諸行無常・諸法無我ワールドに生きていることを知らず、そこが関係・変化の世界であることを知らず、関係には調和、変化には発展の方向性があることを知らないために、自分の貪欲・瞋恚・愚痴のおもむくままに振舞い、調和を乱し、発展を阻害します。このため、苦悩の人生を歩むことになります。
お釈迦さまの導きで涅槃に入る
お釈迦さまは、迷っている人を救うために、教えをお説きになりました。
お釈迦さまは、一人一人に応じて、さまざまに教えを説き分けられながら、貪欲・瞋恚・愚痴を滅する道へ導き入れてくださいました。
お釈迦さまがお示しくださった道を、真摯に歩み続ける修行者は、やがて、貪欲・瞋恚・愚痴がすっかりなくなった境地である涅槃に入ることができました。
涅槃からの人生
涅槃に入りますと、人生ががらりと変わります。それまでは、貪欲・瞋恚・愚痴の迷いで生きて来た人生が、迷いが無い人生に切り替わるからです。
貪欲・瞋恚・愚痴のなくなった自分は、汚れの無い本当の自分です。これからは、本当の自分を生きていくのです。本当の自分を生きる姿は、大乗仏教に登場する菩薩です。布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六波羅蜜に生きる菩薩に、自分もなるのです。
