社員を育てる社長 育てない社長

ビジネス縁起観

 A社の社長が、うちの社員はよくやってくれると喜んでいます。
 B社の社長は、うちにはろくな社員がいないといって愚痴っています。
 しかし、経営コンサルタントの目で見ると、A社の社員とB社の社員のもともとの資質は、ほぼ同じだったのです。それが、何年か後には、A社の社員は、会社にとって役に立つ社員となり、B社の社員は、いつまでも役に立たない社員でいるのです。
 どうして、こんな違いが出てしまったのでしょうか。 原因・条件・結果・影響の原理で考えてみたいと思います。

原因は、社員の資質です。

条件は、社員に対する社長の働きかけです。

結果は、社員の変化です。

影響は、社員が会社の役に立っているかどうかです。
                       

入社したばかりの社員は、A社、B社とも同じような資質であったとすれば、「原因」は、同じと考えていいでしょう。

 A社の社長は、社員の育成に力を注ぎました。ハードスキルを順序だてて教えました。並行して必要なソフトスキルを教えました。
 B社の社長は、仕事に応じて、その日の仕事に必要なだけのハードスキルを教えました。ソフトスキルには、関心がありませんでした・
 A社の社長と、B社の社長の社員に対する働きかけの違いが、「条件」の違いです。

 同じ「原因」に対して、異なる「条件」を与えますと、「結果」が異なります。
 A社の社員は、ハードスキルとソフトスキルが身につくと共に、自分から学ぼうとする姿勢が生れてきました。
 B社の社員は、与えられた仕事を、教えられた方法で行なうことに終始しました。
 これが、「結果」の違いです。

 「結果」が違えば、「影響(結果の影響)」が違ってきます。
 A社の社長は、うちの社員はよくやってくれると喜んでいます。
 B社の社長は、うちにはろくな社員がいないといって愚痴っています。
 振り返ってみれば、社長が社員に何をしたかが、現在の社員の姿にありありと現れていることが分かります。

浪 宏友(本名:中原常友)
詩人・仏教研究家・経営コンサルタント
妙法蓮華経と原始仏教を学び続けて70年
宗教ではない仏教「ビジネス縁起観」を開発
1940年(昭和15年)生

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