問題を解決する手順
問題を解決する一般的な手順は、次の通りです。
1.緊急対応
2.抜本的解決
問題認識 起きている問題のありのままを認識する
原因究明 問題を生じた原因のありのままを究明する
問題解決方針確認 原因を無くせば問題が解決することを確認する
解決策策定 原因を無くす方策を策定する
解決策実行 原因を無くす方策を実行する
評価 問題認識から解決策実行までとその結果を評価する
ここから、問題を抜本的に解決する手順について、ご説明したいと思います。
緊急対応
経営、管理、業務は、毎日のように問題が生じます。
問題が起きると、問題がそれ以上拡大しないように、被害をそれ以上増大させないように、必要な処置をして、とりあえず事態を収束させます。これは、問題に対する緊急対応です。緊急対応で事態が収束すると、問題が解決したとして安心する人がいます。
しかし、緊急対応では、問題は何も解決していないのです。解決していないから、同じ問題が、繰り返し生じます。繰り返し生じる問題に、繰り返し緊急対応するということを繰り返していることもあります。
これに対して、同じ問題が二度と起きないようにするのが、本当の問題解決で、これを抜本的解決と言います。問題は、抜本的に解決して、本当に解決したと言えるのです。
緊急対応で事態が収まっている間に、抜本的解決の手順に入って、抜本的な問題解決に当たるのです。
問題認識
抜本的問題解決のスタートは、「正しい問題認識」です。起きているものごとのありのままを認識し、そのものごとによって、いかなる問題が生じているのかを、ありのままに認識します。
原因究明
問題をありのままに正しく認識したら、今度は、この問題の原因を究明します。ビジネス縁起観では、「原因・条件・結果・影響の原理」を使って、原因を探求します。
原因を究明し、「これが、この問題の原因である」と、正しく認識することが出来たら、次に進みます。
問題解決の方針確認
問題を解決するには、原因を無くすほかありません。したがって、問題解決の方針は「問題の原因を無くす」ことになります。
この原因を無くせば、この問題は生じなくなると確認出来たら、「この原因を無くそう」と、方針が決まるのです。
解決策策定
「この原因を無くそう」と、方針が決定しましたら、「この原因を無くす方策」を策定することになります。
さきほどの「原因の究明」がしっかりできていれば、そこから、原因を無くす方策を導き出すことができるはずです。
「この原因を無くすには、この方策を実行すればよい」と、結論が出たら、次に進みます。
解決策実行
「この原因を無くすには、この方策を実行すればよい」と、結論が出ているのですから、その通りに実行します。方策が正しければ、問題の原因は無くなり、問題は二度と起きなくなります。
方策を実行し、原因が無くなったという結果が出たことを確認します。
評価
問題認識、原因究明、問題解決方針確認、解決策策定、解決策実行の各手順と、これによって出た結果を振り返って、その道筋が正しかったかどうかを検討します。
思わしい結果が出ていなかったら、やり直すことも考えなければなりません。
問題解決手順とマネジメントサイクル
以上の手順を、マネジメントサイクルと対応して考えてみたいと思います。マネジメントサイクルは「プラン・ドウ・チェック・アクション」を使います。
「プラン」に当たるのは、「問題認識、原因究明、問題解決方針確認、解決策策定」です。
「ドウ」に当たるのは、「解決策実行」です。
「チェック」に当たるのは「評価」です。
「チェック」に応じて、必要な「アクション」が見いだされたら、実際にアクションします。
こうして、問題を解決しながら、経営・管理・業務を改善していきます。